CFIECウェビナー 「トランプ2.0と台湾海峡?予見出来ない世界をどう予見するか」

CFIECウェビナー
「トランプ2.0と台湾海峡―予見出来ない世界をどう予見するか」


日 時:2025年4月4日(金)14:00~16:00(配信時間)
主 催:一般財団法人 国際経済連携推進センター
講 師:川島 真   東京大学大学院 総合文化研究科 教授 <兼モデレーター>
    渡部 恒雄  笹川平和財団 上席フェロー
    渡辺 紫乃  上智大学 総合グローバル学部 教授
    黄 偉修   東京大学 東洋文化研究所 特任研究員
    (敬称略、ご登壇順)
形 式:オンラインセミナー(YouTube Live)
定 員:500名(参加費:無料)

お申し込みは、下記URLよりお願い致します。
https://peatix.com/event/4347731
※お申込者限定で、YouTube概要欄にてプレゼン資料のダウンロードが可能です。(配布可能な資料がない場合もございます。)

<内容>
台湾海峡における中国の軍事的圧力が常態化しています。中国は武力攻撃に至らない「グレーゾーン戦略」においても活発に仕掛け、台湾への“浸透工作”は拡大していると指摘されます。台湾では、昨年総統に就任した頼清徳政権下で与野党の対立が続き、2025年は内政の一つの焦点になると目されており、中国と台湾は、米トランプ政権の台湾政策を見極めつつ、攻防を展開すると予想されます。

この台湾情勢を、トランプ政権はどう見ているのでしょうか。現在、トランプ大統領は、“台湾有事”における米国の関与について明言を避けていますが、「台湾独立を支持しない」という文言を国務省ウェブサイトから削除するなど、すでにいくつかの問題が発生しています。対中強硬姿勢は政策の基調にあると見られるものの、トランプ大統領自身がTSMCに高い関心を示すなど、台湾海峡問題よりもむしろ台湾の技術や貿易黒字問題が重視される可能性もあります。

本ウェビナーでは、予見可能性が低いトランプ政権の動きを中国と台湾はどう認識し、どのようなシナリオを想定した戦略を模索しているのか、緊迫する台湾海峡の現状とともに読み解きます。“台湾有事”の前段階として何があるのか、日本の安全保障体制の強化に活かすべき視点は何かということを掘り下げたうえで、“台湾有事”を防ぐために日本や関係国はどのように動いていくべきか、主に経済と外交・安全保障の観点から考察します。

パネリストには、中国・台湾の政治外交に精通し歴史的な造詣も深い東京大学大学院 総合文化研究科 教授の川島真氏(兼モデレーター)、外交・安全保障政策、日米関係、米国の政策について豊富な知見を有する笹川平和財団上席フェローの渡部恒雄氏、中国の政治外交に詳しく国際開発金融の観点から研究を重ねる上智大学総合グローバル学部教授の渡辺紫乃氏、中国と台湾をめぐる国際関係、外交安全保障政策について多角的な観点から分析する東京大学東洋文化研究所特任研究員の黄偉修氏をお招きします。

<プログラム>
1. 14:00 - 14:05 ( 5分)  プログラム説明、スピーカー自己紹介 (事務局)
2. 14:05 - 14:10 ( 5分)  趣旨説明 (川島真氏)
3. 14:10 - 14:25 (15分)  プレゼンテーション (渡部恒雄氏)
4. 14:25 - 14:40 (15分)  プレゼンテーション (渡辺紫乃氏)
5. 14:40 - 14:55 (15分)  プレゼンテーション (黄偉修氏)
6. 14:55 - 15:10 (15分)  プレゼンテーション (川島真氏)
7. 15:10 - 16:00 (50分)  ディスカッション・事前質問に基づくQ&A
8. 16:00          閉会

<講師略歴
川島 真(かわしま しん)氏(兼モデレーター)
東京大学大学院 総合文化研究科 教授

博士(文学、東京大学)。北海道大学法学部助教授、東京大学大学院総合文化研究科准教授を経て、2015年4月より現職。中曽根康弘世界平和研究所研究本部長、日本国際フォーラム上席研究員、日本学術会議連携会員、外務省外交記録公開推進委員会委員、内閣府公文書管理委員会委員などを兼任。専門は中国・台湾の政治外交史、国際関係史。
著書:『よくわかる 現代中国政治』(編著、ミネルヴァ書房、2020年)、『UP plusアフターコロナ時代の米中関係と世界秩序』(編著、東京大学出版会、2020年)、『中国のフロンティア』(岩波書店、2017年)、『21世紀の「中華」』(中央公論新社、2016年)他、多数。

渡部 恒雄(わたなべ つねお) 氏
笹川平和財団 上席フェロー

1963年福島県に生まれる。1988年、東北大学歯学部卒業、歯科医師となるが、社会科学への情熱を捨てきれず米国留学。1995年ニューヨークのニュースクール大学で政治学修士課程修了。同年、ワシントンDCのCSIS(戦略国際問題研究所)に入所。客員研究員、研究員、主任研究員を経て2003年3月より上級研究員として、日本の政党政治、外交安保政策、日米関係およびアジアの安全保障を研究。2005年4月に日本に帰国。以来CSISでは非常勤研究員を務める。三井物産戦略研究所主任研究員を経て、2009年4月から2016年8月まで東京財団政策研究ディレクター兼上席研究員。10月に笹川平和財団に特任研究員として移籍。2017年10月より上席研究員となり、2024年4月より現職。外交・安全保障政策、日米関係、米国の政策分析に携わる。
2007年から2010年まで報道番組「サンデープロジェクト」(テレビ朝日系)のコメンテーターを務め、現在、「激論!クロスファイア」(BS朝日)、「深層ニュース」(BS日テレ)、「日経ニュースプラス9」(BSテレ東)、「報道1930」(BS-TBS)、「プライムニュース」(BSフジ)などで国際問題を解説。2010年5月から2011年3月まで外務省発行誌「外交」の編集委員を務め、現在、防衛省の防衛施設中央審議会委員。
著書に「国際安全保障がわかるブックガイド」(共著、2024年、慶應義塾大学出版会)、「NATO(北大西洋条約機構)を知るための71章」(共著、2023年、明石書店)、「デジタル国家ウクライナにロシアは勝利するか?」(共著、2022年、日経BP)、「防衛外交とは何か―平時における軍事力の役割」(共編著、2021年、勁草書房)、「2021年以後の世界秩序―国際情勢を読む20のアングル」(2020年、新潮新書)、「いまのアメリカがわかる本・最新版」(2013年、三笠書房)、「二〇二五年米中逆転―歴史が教える米中関係の真実」(2011年、PHP研究所)等。

渡辺 紫乃(わたなべ しの)氏
上智大学 総合グローバル学部 教授

東京大学経済学部卒業、タフツ大学フレッチャー法律外交大学院修士課程、ヴァージニア大学大学院博士課程修了、Ph.D.取得。北京大学国際関係学院留学、日本国際問題研究所研究員、埼玉大学教養学部准教授、上智大学総合グローバル学部准教授、ジョージワシント大学シグールセンター客員研究員(フルブライト研究員)などを歴任。平和・安全保障研究所研究委員、国際社会経済研究所顧問など。主に中国の政治外交と東アジアの国際関係、国際開発金融を研究。最近の業績としては、「中国の国際レジーム戦略―国際開発援助分野での『グローバル開発イニシアティブ』の提唱」(稲田十一編『新興国の台頭と国際開発レジームの変容』、東信堂、2025年)、“Enhancing U.S.-ROK-Japan Cooperation in Maritime and Economic Security”Asia Policy, 2025, Vol. 20, No. 1,“Cambodia’s Perceptions of China: A Comprehensive Survey-based Analysis” (first author), Asian Survey, 2024, Vol. 64, No. 6、「グローバル展開する中国主導の地域枠組み」(『外交』2023年7月号)、「中国アフリカ関係の新展開―ファーウェイによるデジタルインフラ建設とその影響」(『国際政治』210号、2023年3月)など。

黄 偉修(こう いしゅう)氏
東京大学東洋文化研究所 特任研究員・早稲田大学台湾研究所 客員研究員

1977年台湾生まれ。博士(学術)。現代中国・台湾政治、中国と台湾をめぐる国際関係(主に中台、日中、日台関係)、外交安全保障政策決定過程が専攻。早稲田大学台湾研究所客員次席研究員、東京大学東洋文化研究所助教を経て2022年から現職。2011年に第六回日本台湾学会賞(政治経済分野)、2021年に第十七回中曽根康弘賞奨励賞を受賞。主要な著作に、『李登輝政権の大陸政策決定過程(1996~2000年)』(大学教育出版、2012年)、「台湾における政権交代と外交安全保障政策決定過程──大陸政策に関するNSCの役割を中心に」『国際政治』第177号(2014年10月)、「台湾の馬英九政権における大陸政策決定過程の運営方式」松田康博、清水麗編著『現代台湾の政治経済と中台関係』(晃洋書房、2018年3月)、「安全保障」赤松美和子・若松大祐編著『台湾を知るための72章【第2版】』(明石書店、2022年)、「台湾における大陸政策決定過程の構築と国家安全保障政策」『アジア研究』 第70卷第3号(2024年7月)など。

【本ウェビナー事務局】
国際経済連携推進センター 川西、松井