CFIECウェビナー 「混迷する世界と欧州の針路―日欧関係に何が求められるのか」

CFIECウェビナー
「混迷する世界と欧州の針路―日欧関係に何が求められるのか」


日 時:2024年9月20日(金) 14:00~15:50
主 催:一般財団法人 国際経済連携推進センター(CFIEC)
講 師:細谷 雄一 慶應義塾大学 教授 (モデレーター)
    合六 強  二松学舎大学 准教授
    鶴岡 路人 慶應義塾大学 准教授
    伊藤 さゆり ニッセイ基礎研究所 経済研究部 常務理事
    (敬称略)
形 式: オンラインセミナー(YouTube Live)
定 員: 500名
参加費: 無料

お申し込みは、下記URLよりお願い致します。
https://peatix.com/event/4102169

<内容>
ロシアによるウクライナ侵攻で欧州情勢は一変しました。域外ではロシア、中国、北朝鮮、イランなどの反欧米枢軸が結束を強化し、米中間の戦略的競争はさらに先鋭化、そしてグローバルサウスの台頭も顕在化しました。域内においては、反移民を筆頭にEUのあり方に挑戦する極右勢力が台頭するとともに、一部の国では急進的な左派も勢力を拡大し、内政の分裂傾向が加速しています。ロシア制裁やウクライナ支援での足並みの乱れも懸念され、多くの分断と対立の危機に直面しています。

このようなグローバル環境のもと、欧州各国は軍備増強を始め安全保障体制を見直し、経済においても対中依存を軽減する“デリスキング”へ舵を切りました。また日本との関係においても経済・安保において緊密化を図るとともに、インド太平洋地域への関与を強化しています。先が見えない世界で欧州はどのような道を進もうとしているのでしょうか。

本ウェビナーでは、欧州が現在の世界をどうとらえて国際社会における自らの役割を追求しようとしているのか読み解き、その背景にある真意や狙いを考察します。そのうえで、価値観を共有する欧州と何を目指して協調していくべきか、日本が果たすべき役割は何か、主に経済と外交・安全保障の観点から掘り下げていきます。

パネリストには、国際政治学、イギリス外交史を専門に多角的な視点から多くの研究、実績を持つ慶應義塾大学教授の細谷雄一氏(兼モデレーター)、欧州を中心とする国際経済・金融を熟知するニッセイ基礎研究所 経済研究部 常務理事の伊藤さゆり氏、国際安全保障、現代欧州政治を専門にNATOにも精通する慶應義塾大学准教授の鶴岡路人氏、そして国際関係論、特に米欧関係史・ヨーロッパ安全保障に豊富な知見を有する二松学舎大学准教授の合六強氏をお迎えします。

<プログラム>
1. 14:00 - 14:05 (5分) プログラム説明、スピーカー自己紹介 (事務局)
2. 14:05 - 14:10 (5分) 趣旨説明 (細谷雄一氏)
3. 14:10 - 14:25 (15分) プレゼンテーション (1) (合六強氏)
4. 14:25 - 14:40 (15分) プレゼンテーション (2) (鶴岡路人氏)
5. 14:40 - 14:55 (15分) プレゼンテーション (3) (伊藤さゆり氏)
6. 14:55 - 15:10 (15分) プレゼンテーション (3) (細谷雄一氏)
7. 15:10 - 15:50 (40分) ディスカッション・事前質問に基づくQ&A
8. 15:50 閉会

<講師略歴>
細谷 雄一(ほそや ゆういち)氏(モデレーター)
慶應義塾大学法学部 教授

1971年生まれ、立教大学法学部卒業、バーミンガム大学大学院国際学研究科修了(MIS)、慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了、博士(法学)。プリンストン大学客員研究員(フルブライト・フェロー)、パリ政治学院客員教授(ジャパン・チェア)、ケンブリッジ大学ダウニング・カレッジ訪問研究員などを歴任。慶應義塾大学戦略構想センター長、アジア・パシフィック・イニシアティブ研究主幹、中曽根世界平和研究所上席研究員、日本国際問題研究所上席客員研究員などを兼任。また、「安全保障と防衛力に関する懇談会」委員(2013年)、「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」委員(2013-14年)、国家安全保障局顧問会議顧問を歴任(2014-16年)。主な著書に、『戦後国際秩序とイギリス外交』(サントリー学芸賞)、『倫理的な戦争』(読売・吉野作造賞)、『外交』、『国際秩序』、『安保論争』、『迷走するイギリス』、『戦後史の解放I 歴史認識とは何か』など。

伊藤 さゆり(いとう さゆり)氏
ニッセイ基礎研究所 経済研究部 常務理事

早稲田大学政治経済学部卒業後、日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)を経て、ニッセイ基礎研究所入社、2023年から現職。早稲田大学大学院商学研究科修士課程修了。早稲田大学大学院商学学術院非常勤講師、日本EU学会理事、21世紀政策研究所研究委員、内閣官房GX実行推進室GX実現に向けたカーボンプライシング専門ワーキンググループ構成員など兼務。最近の著作に『米中覇権競争とインド太平洋地経学』(彩流社、2023年、共著)、『EUと新しい国際秩序』(日本評論社、2021年、共著)、『沈まぬユーロ―多極化時代における20年目の挑戦』(文眞堂、2021年、共著)など。アジア経済を出発点に、国際金融、欧州経済を分析してきた経験を基に、世界と日本の関係について考えている。

鶴岡 路人(つるおか みちと)氏
慶應義塾大学総合政策学部 准教授
戦略構想センター(KCS)副センター長

慶應義塾大学法学部卒業後、同大学大学院、米ジョージタウン大学大学院を経て、英ロンドン大学キングス・カレッジで博士号取得。専門は国際安全保障、現代欧州政治。在ベルギー日本大使館専門調査員(NATO担当)を経て、2009年から2017年まで防衛省防衛研究所教官、主任研究官。その間、防衛省防衛政策局国際政策課部員、英王立防衛安全保障研究所(RUSI)訪問研究員を務める。2023年3月から2024年3月はオーストラリア国立大学(ANU)訪問研究員。ブリュッセル自由大学(VUB)安全保障・外交・戦略研究所(CSDS)上席研究員を兼務。単著に『模索するNATO――米欧同盟の実像』(千倉書房、2024年)、 『欧州戦争としてのウクライナ侵攻』(新潮選書、2023年)、『EU離脱――イギリスとヨーロッパの地殻変動』(ちくま新書、2020年)。また、編著に『地政学時代の日本――外交・安全保障政策の新潮流』(コンラート・アデナウアー財団、2024年)など。

合六 強(ごうろく つよし)氏
二松学舎大学国際政治経済学部 准教授

1984年、大阪府生まれ。パリ政治学院留学を経て、慶應義塾大学法学部政治学科卒業。同大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学。同研究科助教(研究奨励)、EUSI(EU Studies Institute in Tokyo)研究員(ウクライナ・キーウ滞在)などを経て、二松学舎大学国際政治経済学部専任講師、2022年4月より現職。政策研究大学院大学(GRIPS)客員研究員、日本国際問題研究所(JIIA)研究委員、東大先端研創発戦略研究オープンラボ(ROLES)分科会委員も務める。専門は、国際関係論(米欧関係史・ヨーロッパ安全保障)。共著に、細谷雄一編『ウクライナ戦争とヨーロッパ』(東京大学出版会、2023年)、岩間陽子編『核共有の現実:NATOの経験と日本』(信山社、2023年)、森本敏・高橋杉雄編『新たなミサイル軍拡競争と日本の防衛』(並木書房、2020年)など。

【本ウェビナー事務局】
国際経済連携推進センター 川西、松井