CFIECウェビナー 「米中経済対立と進化するASEAN経済―日本に求められる視点と戦略」

CFIECウェビナー
「米中経済対立と進化するASEAN経済―日本に求められる視点と戦略」


日 時:2024年6月26日(水) 17:30~19:15
主 催:一般財団法人 国際経済連携推進センター(CFIEC)
講 師:木村 福成 慶應義塾大学 名誉教授・シニア教授(モデレーター)
    戸堂 康之 早稲田大学 政治経済学術院 経済研究科 教授
    丁  可  アジア経済研究所 開発研究センター 主任研究員
    岡野 陽二 PwCコンサルティング合同会社 シニアマネージャー
    (敬称略)
形 式: オンラインセミナー(YouTube Live)
定 員: 500名
参加費: 無料

お申し込みは、下記URLよりお願い致します。
https://peatix.com/event/4022250

<内容>
米中の貿易摩擦に始まった米国主導のサプライチェーン再編の動きは、電機・電子機器産業へ波及し、東南アジアでは製造業を中心に中国からの貿易投資が大きく拡大したと言われます。これまで双方と良好な関係を築き、順調に経済成長を遂げてきたASEAN諸国は、いま従来の加工貿易からの脱却と産業の高付加価値化を模索し、半導体産業においてはすでにアジアの主要なハブとして機能しています。

いま米中経済対立は、先端技術をめぐる技術覇権争いへと変わりました。米国がASEANとの連携強化により先端産業を中心にサプライチェーンの強靭化を目指す一方で、中国のハイテク企業はデジタル化が進むASEANへの投資を加速し存在感を示しています。激しくなる技術覇権競争の最前線で、先進的なデジタル領域を次の経済成長の柱の一つとするASEANは今後どのようにそれを実現していくのでしょうか。

本ウェビナーでは、米中対立が質的に変化するなかで、さらなる成長を目指す東南アジア諸国の成長戦略とは何か、各国の強みや課題を通して読み解きます。そのうえで、米中対立下の世界経済においてASEANが担う役割は何か、日本はそのASEANと経済関係を深める上で何が求められるか掘り下げていきます。

モデレーターには、東アジアのグローバルな生産ネットワークや通商戦略の分野において卓越した実績を有する慶應義塾大学名誉教授の木村福成氏、パネリストには半導体を始めとするグローバル・サプライチェーンに精通する早稲田大学教授の戸堂康之氏、中国のイノベーション政策を熟知しGVCの観点から研究を重ねるジェトロ・アジア経済研究所主任研究員の丁可氏、そしてアジアのビジネス環境に豊富な知見を有し、中国企業のアジア展開の分析に強みを持つPwC コンサルティング合同会社 シニアマネージャーの岡野陽二氏をお迎えします。

<プログラム>
1. 17:30 - 17:35 (5分) プログラム説明、スピーカー自己紹介 (事務局)
2. 17:35 - 17:45 (10分) 趣旨説明 (木村福成氏)
3. 17:45 - 18:00 (15分) プレゼンテーション (1) (岡野陽二氏)
4. 18:00 - 18:15 (15分) プレゼンテーション (2) (丁可氏)
5. 18:15 - 18:30 (15分) プレゼンテーション (3) (戸堂康之氏)
6. 18:30 - 19:15 (45分) ディスカッション・事前質問に基づくQ&A
7. 19:15 閉会

<講師略歴>
木村 福成(きむら ふくなり)氏(モデレーター)
慶應義塾大学 名誉教授・シニア教授
日本貿易振興機構アジア経済研究所(IDE-JETRO) 所長
東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA) シニアリサーチフェロー

1982年東京大学法学部卒業。1991年ウィスコンシン大学マディソン校Ph.D.(経済学)。1982-1986年(財)国際開発センター研究助手、1991-94年ニューヨーク州立大学オルバニー校助教授、1994-2000年慶應義塾大学経済学部助教授を経て、2000-2024年同教授。2008-2024年インドネシア・ジャカルタに本拠を置く国際機関ERIAのチーフエコノミスト。その他、2010-2012年日本国際経済学会会長、2012-2014年公益財団法人東京経済研究センター(TCER)代表理事、2016-2019年独立行政法人日本学術振興会学術システム研究センター専門研究員などを歴任。2024年4月より現職。専門は国際貿易論、開発経済学。主要研究テーマは東アジアの国際的生産ネットワーク、経済統合と世界貿易機関(WTO)、およびデジタルエコノミー。
著書、論文、講演、学会発表等多数。近著にKimura, Fukunari; Pangestu, Mari; Thangavelu, Shandre M.; and Findlay, Christopher, eds. (2021) Handbook on East Asian Economic Integration. December. Cheltenham: Edward Elgar、馬田啓一・浦田秀次郎・木村福成(編)(2023)『変質するグローバル化と世界経済秩序の行方:米中対立とウクライナ危機による新たな構図』文眞堂、Kimura, Fukunari and the Viet Nam 2045 Team, eds., (2023) Viet Nam 2045: Development Issues and Challenges. Commemorating 50 Years of Viet Nam-Japan Diplomatic Relations. Jakarta: ERIA、Ando, Mitsuyo; Hayakawa, Kazunobu; and Kimura, Fukunari. (2024) "Supply Chain Decoupling: Geopolitical Debates and Economic Dynamism in East Asia." Asian Economic Policy Review, 19(1): 62-79 (doi: 10.1111/aepr.12439)、Ando, Mitsuyo; Hayakawa, Kazunobu; and Kimura, Fukunari. (2024) "The Threat of Economic Deglobalization from Cold War 2.0: A Japanese Perspective." Asian Economic Papers, 23(1): 46-65 (10.1162/asep_a_00875)など。

戸堂 康之(とどう やすゆき)氏
早稲田大学 政治経済学術院 経済研究科 教授

東京大学教養学部教養学科卒業、学習塾経営を経て、スタンフォード大学経済学部博士課程修了(経済学Ph.D.)。南イリノイ大学経済学部助教授、東京都立大学経済学部助教授、東京大学新領域創成科学研究科国際協力学専攻教授・専攻長を経て2014年4月より現職。
経済産業研究所ファカルティフェロー、日本貿易振興機構(ジェトロ)運営審議会委員、経済産業省産業構造審議会通商・貿易分科会委員、内閣府国家戦略会議フロンティア分科会委員、内閣府「選択する未来」委員会委員、T20ポリシーブリーフ責任著者などを歴任。研究分野は、国際経済学・開発経済学・日本経済論で、サプライチェーンや共同研究ネットワークなど社会・経済ネットワークが経済発展や強靭性に与える影響に関する実証研究を大規模な企業データを利用し行っている。
主な著作に、『経済学って何だろう-現実の社会問題から学ぶ経済学入門』(新世社、2024年)、『経済安全保障と半導体サプライチェーン』(編著、2023年、文眞堂)、『なぜよそ者とつながることが最強なのかー生存戦略としてのネットワーク経済学入門-』(プレジデント社、2020年)、『開発経済学入門(第2版)』(新世社、2020年)、『日本経済の底力-臥龍が目覚めるとき-』(中央公論新社、2011年)、『途上国化する日本』(日本経済新聞出版社、2010年)、『技術伝播と経済成長-グローバル化時代の途上国経済分析-』(勁草書房、2008年)。英文の査読付き学術論文67本、総引用数5000回以上。世界の研究者の業績を評価するScholarGPSにおいて、経済学者としてトップ1%に位置づけられている。

丁 可(てい か) 氏
ジェトロ・アジア経済研究所 開発研究センター 主任研究員

専門分野:企業法務全般、電子商取引、電気通信事業、インターネット、独占禁止法、航空貨物輸送
1999年、中国南京大学卒業後、来日。2005年、名古屋大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学(経済学博士、2006年)。同年よりジェトロ・アジア経済研究所に勤務。経団連21世紀政策研究所研究委員。専門は、中国産業論、中小企業論、イノベーションシステム、グローバルバリューチェーン。著書に、『中国 産業高度化の潮流』(今井健一氏と共編著、アジア経済研究所、2008年)、Market Platforms, Industrial Clusters and Small Business Dynamics: Specialized Markets in China (Edward Elgar, 2012)、『米中経済対立-国際分業体制の再編と東アジアの対応』(編著、アジア経済研究所、2023年)など。ほか論文多数。

岡野 陽二(おかの ようじ)氏
PwCコンサルティング合同会社 シニアマネージャー

ジェトロ、三井物産戦略研究所を経て2023年6月から現職。一貫して、日本企業の海外展開に資する情報やインサイトの収集・分析・発信、および企業のビジネス相談対応に従事。調査対象は中国を含むアジア、大洋州、分野は地政学、各国の政治、経済、産業動向など多岐にわたる。足元では特に日本企業の目線で見たアジア各国のビジネス環境、中国企業のアジア展開の分析に注力している。ジェトロでは中国、三井物産戦略研究所ではシンガポールに駐在した経験を有する。現職での著書として『経営に新たな視点をもたらす「統合知」の時代』(共著)がある。

【本ウェビナー事務局】
国際経済連携推進センター 川西、松井