CFIECウェビナー
「アフリカの現在地と多極化する世界~グローバルな潮流とダイナミックな変化の行方」
日 時:2024年6月14日(金) 14:00~15:50
主 催:一般財団法人 国際経済連携推進センター(CFIEC)
講 師:遠藤 貢 東京大学大学院 総合文化研究科 教授(兼モデレーター)
北野 尚宏 早稲田大学理工学術院 国際理工学センター 教授
福西 隆弘 アジア経済研究所 開発スクール教授/主任調査研究員
小林 周 日本エネルギー経済研究所 中東研究センター 主任研究員
(敬称略)
形 式: オンラインセミナー(YouTube Live)
定 員: 500名
参加費: 無料
お申し込みは、下記URLよりお願い致します。
https://peatix.com/event/3967954
<内容>
2022年3月、ロシアのウクライナ侵攻直後に国連総会で実施された「対ロシア非難決議」で、アフリカ54カ国の半分近くが棄権や無投票を選択した事実は「多極化する世界」の一端を垣間見せました。
米国が主導する既存の国際秩序から「平等で秩序ある世界の多極化」への移行を目指す中国は、経済分野においてアフリカで圧倒的な存在感を示しています。その中国がアフリカを重視する主な理由は、国の数が多く国連での発言力が頼めるだけでなく、重要鉱物の豊富な埋蔵量があり、政治的および経済的モデルを輸出する実験場としているためと指摘されます。
中国以外にも、ロシアは国際的孤立を避けるため軍事的支援や穀物輸出等を通じて関係を深め、日本も鉱物資源の安定確保の必要から関係強化を急いでいます。他方でフランスをはじめとした旧宗主国との関係は多くの変化に直面しているほか、2024年のG7議長国イタリアは移民や難民問題の観点からアフリカを重視する姿勢を示しています。加えて国際的な海上輸送の要の一つである紅海を巡っても湾岸諸国を中心とした中東諸国の関与が強まっています。めまぐるしく変化する国際環境の中で、アフリカでは今どのような変化が起き、アフリカはこの変化をどう捉えているのでしょうか。
本ウェビナーでは、アフリカの産業構造や経済活動の現状を概観しつつ、中国とアフリカの経済関係の発展を一つの切り口としながら、この関係が国際的な文脈でどのような意味を持つのか、そしてまたアフリカを取り巻く国際関係の変容の特徴はどこにあるのかを読み解きます。そのうえで、日本はアフリカについて誰と何をすべきか、どのようなアプローチが求められ、課題は何か、掘り下げていきます。
パネリストには、現代アフリカ政治に精通しグローバルな視点からアフリカを取り巻く状況を分析する東京大学大学院教授の遠藤貢氏(兼モデレーター)、中国とアフリカの経済協力とその動向に詳しい早稲田大学教授の北野尚宏氏、アフリカ諸国の労働市場や製造業、産業構造の変化に知見を有するJETROアジア経済研究所の主任調査研究員の福西隆弘氏、そして中東・北アフリカ地域を国際関係論、エネルギー地政学など多角的な視点から考察する日本エネルギー経済研究所 中東研究センター主任研究員の小林周氏をお招きします。
<プログラム>
1. 14:00 - 14:05 (5分) プログラム説明、スピーカー自己紹介 (事務局)
2. 14:05 - 14:10 (5分) 趣旨説明 (遠藤貢氏)
3. 14:10 - 14:25 (15分) プレゼンテーション (1) (福西隆弘氏)
4. 14:25 - 14:40 (15分) プレゼンテーション (2) (北野尚宏氏)
5. 14:40 - 14:55 (15分) プレゼンテーション (3) (小林周氏)
6. 14:55 - 15:10 (15分) プレゼンテーション (4) (遠藤貢氏)
7. 15:10 - 15:50 (40分) ディスカッション・事前質問に基づくQ&A
8. 15:50 閉会
<講師略歴>
遠藤 貢(えんどうみつぎ)氏(兼モデレーター)
東京大学大学院 総合文化研究科 教授
秋田県生まれ。英国ヨーク大学南部アフリカセンター博士課程修了(DPhil)。東京大学・大学院総合文化研究科・助手、助教授などを経て、2007年より現職。2004年に発足した大学院教育の「人間の安全保障」プログラム(HSP)運営委員長。2010年より東京大学大学院総合文化研究科付属グローバル地域機構(IAGS)のアフリカ地域研究センター長。また、現在日本国際政治学会副理事長。日本学術会議連携委員(民主主義の深化と退行に関する比較政治分科会)。専門はアフリカ現代政治・アフリカ国際関係。主な業績として、『崩壊国家と国際安全保障:ソマリアにみる新たな国家像の誕生』(単著、有斐閣、2015年 2016年猪木正道賞(正賞)受賞)、『中国の外交戦略と世界秩序』(共編著、昭和堂、2020年)、『紛争が変える国家』(共編著、岩波書店、2020年)、African Politics of Survival(共編著、Langaa Rpcig、2021年)『ようこそアフリカ世界へ』(共編著、昭和堂、2022年)などがある。南部アフリカの政治体制変動の研究から入り、2000年代には北東アフリカ(「アフリカの角」)における紛争と国家の問題を研究するとともに、近年は「アフリカの角」における国際関係や紅海をめぐる国際安全保障などについても研究を行っている。
北野 尚宏(きたの なおひろ)氏
早稲田大学理工学術院 教授
1983年海外経済協力基金採用、北京駐在員、京都大学大学院経済学研究科助教授、国際協力銀行開発第2部部長、国際協力機構(JICA)東・中央アジア部部長、JICA研究所所長などを経て2018年より現職。JICA緒方貞子平和開発研究所シニア・リサーチ・アドバイザー、創価大学理工学部、東京大学公共政策大学院非常勤講師。コーネル大学大学院博士課程修了(Ph.D.)、早稲田大学理工学部土木工学科卒業。研究分野は開発協力、都市計画、交通計画。近著に、北野・中里 「第5章 ODA―援助/被援助関係の終了」 『日中関係2001-2022』 東京大学出版会 2023、「第8章 開発協力への転換を目指す中国の対外援助動向」 『習近平政権の国内統治と世界戦略』 勁草書房 2022、Kitano, N. and Miyabayashi, Y. “China’s foreign aid as a proxy of ODA: Preliminary estimate 2001-2022.” Journal of Contemporary East Asia Studies. 12(1). 2023など。
福西 隆弘(ふくにし たかひろ)氏
日本貿易振興機構アジア経済研究所 開発スクール教授/主任調査研究員
専門分野:企業法務全般、電子商取引、電気通信事業、インターネット、独占禁止法、航空貨物輸送
ロンドン大学アジア・アフリカ研究学院経済学部博士課程修了(Ph.D)。地域研究センターアフリカ研究グループ長を経て、2020年より現職。専門は開発経済学で、アフリカ諸国の労働市場、製造業などをテーマとしている。主な著書として、『発展途上国における経済のデジタル化:アフリカ、東南アジア、ラテンアメリカの事例』(アジア経済研究所2024年 共著)、『開発と共生のはざまで : 国家と市場の変動を生きる』(京都大学出版会2016年 共著)、The Garment Industry in Low-income Countries: An Entry Point of Industrialization(Palgrave Macmillan 2014年 共編著)などがある。
小林 周(こばやし あまね)氏
日本エネルギー経済研究所 中東研究センター 主任研究員
専門は中東・北アフリカ地域の現代政治、国際関係論、エネルギー地政学。慶應義塾大学大学院にて修士号・博士号(政策・メディア)取得。米・戦略国際問題研究所(CSIS)、日本国際問題研究所などを経て、2017年日本エネルギー経済研究所中東研究センター入所。2021年から2023年まで在リビア日本大使館にて書記官として勤務。編著に『アジアからみるコロナと世界』(毎日新聞出版、2022年)、主な共著に『紛争が変える国家』(岩波書店、2020年)、『アフリカ安全保障論入門』(晃洋書房、2019年)など。最近の論文に「露ワグネルのアフリカにおける動向~プリゴジンの死亡が与える影響~」(『治安フォーラム』30巻1号、2023年12月)、「変動する国際秩序とアフリカの地域秩序――アフリカは『米中対立』にいかに巻き込まれるのか」(『防衛学研究』68号、2023年3月)など。
【本ウェビナー事務局】
国際経済連携推進センター 川西、松井
- 事業内容
【 調査研究事業 】
-デジタル社会の実現
»インターネットガバナンスの在り方に関する研究会
»ブロードバンド社会経済研究会
»AIの活用における課題と施策に関する研究会
»データガバナンス研究会
-新通商ルール戦略
»新たな通商ルール戦略研究会
-中国からみた経済安全保障と内外政策
»中国研究会
»中国研究会の情報発信
-経済と安全保障
»経済と安全保障に関する研究会
-インド研究会
【 情報発信事業 】
-ウェビナー
-寄稿掲載
»岐路に立つ世界と混迷の行方(2024)
»現代のエコノミック・ステイトクラフト(2023)
»ロシア ウクライナ侵攻と今後の世界(2022) »ニューノーマルと社会(2020)
»コロナの先の世界(2020)
-出版
-実積寿也の米国会議参加報告
-インターネットガバナンス関連資料
-「AIの活用における課題と施策に関する研究会(AI研究会)」関連情報