北東アジア経済連携(終了済)
・ 北東アジア経済連携推進事業
強大化した中国と米国との間で摩擦が激化しており、その狭間で、我が国や韓国は米中と如何に向き合ってゆくべきか、また隣国である日韓両国は互いにどう向き合うべきかが問われています。
また、「経済安全保障」については、様々なところで議論されていますが、本事業としもアイデンティティ或いは、付加価値が出せるように努め、経済安全保障と表裏一体である経済活動や経済交流といった産業界の実態や動向なども視野にいれた検討を行い、広く一般に向けての情報発信を行います。
・北東アジア経済連携推進検討委員会
本検討委員会では、北東アジアの地域の安定と繁栄のために、ビジネスや政府間協力を通じ、相互の利益を追求する中で、日本の地域戦略について考察していきます。また、北東アジア地域の基本的な地域課題を分析し、広く一般に向けて情報発信を行います。
本年度はまず、韓国にフォーカスし、長期的視点で、経済・産業面での日本との連携・協力の可能性について議論するとともに、ビジネス関係では、韓国・全国経済人連合会(全経連)と連携しつつ、両国産業界の課題・動向についての多面分析に取り組みます。
・全経連とのワークショップ
CFIECは、日韓両国を取り巻く内外の共通課題などについて両国の民間レベルで意見交換を行う場として、全経連とのワークショップを2021年度より定例的に開催しています。
本ワークショップは、米中対立、北朝鮮問題、ロシアによるウクライナ侵攻など、激動する世界情勢の変化の中で、地球環境問題、サプライチェーンの確保や産業競争力強化など、両国が取り組むべき共通のテーマに沿って、自由で率直な意見交換を行い、認識の共有を図ることを通じ、民間レベルにおいて可能な範囲で連携・協力できる分野を探りつつ、日韓経済関係の発展に貢献することを目的としています。 (なお、率直な意見交換の場を確保するために、議論の大枠を除き、内容は原則非公開としています。)
第1回ワークショップ
2021年11月開催。「米中対立下の北東アジア情勢と韓国の国家戦略」をテーマとした韓国側による発表に引き続き、両国にとっての米国及び中国の位置づけの他、朝鮮半島情勢やCPTPPの位置づけなどに関する議論が行われました。
第2回ワークショップ
2022年3月開催。「韓国の主力産業の成長とカーボンニュートラル化戦略」をテーマとして韓国側から発表が行われ、2050年のカーボンニュートラル、2030年の温室効果ガス削減目標の達成に向けての産業界の取り組みなどの他、ロシアによるウクライナ侵攻を巡り、両国のエネルギーの調達や企業活動への影響などの諸問題に関し、意見が交わされました。
第3回ワークショップ
2022年9月開催。日本側から「グローバリゼーションの終焉と日韓関係:新しい経済協力のかたち」をテーマに発表を行い、両国の政治的状況にかかわらず、民間企業レベルでは緊密な関係が継続し、さらなる展開も図られている事実を指摘しました。これを受け、今後の企業間の協力・連携の方向性や、更に幅広い分野での連携について意見が交わされました。
・北東アジア関連の情報発信
本検討委員会での議論に基づくテーマや時宜にかなったテーマで、ウェビナーの開催や各分野の専門家の寄稿掲載、北東アジアの経済動向・地域連携に関する知見を報告書等の形で情報発信を行います。
▼ 世界情勢ウェビナー
国際情勢ウェビナー「大統領選挙後の韓国の針路」【2022/03/16】
国際情勢ウェビナー「大統領選挙で変わること、変わらないことー先進国 韓国を待ち受ける試練と解決への方向性」【2021/12/23】
国際情勢ウェビナー「米中競争時代の日韓関係」【2021/05/13】
▼ 識者の寄稿シリーズ
中国はなぜ覇権主義に突き進むのか【2021/06/02】
薮内 正樹/敬愛大学経済学部 教授
アジア・太平洋を向くロシア ~経済関係の現状と今後の見通しについて【2021/05/31】
大橋 巌/ロシア工業団地協会 日本・アジア太平洋地区担当顧問